2019/11/02 13:30
こんにちは。代表の小澤です。
湿度が高く暑い日々なのに、冷房や冷たい飲み物などでからだを冷やしてしまうもどかしさ。
とくに胃腸の痛みや不調を感じるときは、温かい飲食がお勧めです。
「ただでさえ、暑いのに…」
と感じますが、これが思いの外、ほっとします。
不調の改善はもちろん、余計な汗をかかなくなったり、体内にこもった熱や水分を出せることが利点です。
温かい飲み物は数多ありますが、せっかくなら温めながらからだにいいものを・・・
本日は宣伝も兼ねて!当社で輸入・販売しているハーブティー(花茶)「素花」を飲みながら、
漢方薬とハーブティーの違いについて、お話しします。
ハーブティーと漢方薬の違い①
ハーブティーと漢方薬、どちらも植物が使われているところが共通点です。
薬用で使う場合は、その花の「種類」や「部位」(主に根)が限定されるところが、相違点です。
たとえば、デトックスティーとして人気の「たんぽぽ茶」。
薬用で使うのは中国現存「モウコタンポポ」の「根」です。
漢方では蒲公英根と呼ばれ、肝臓に対する働きや、消化不良を改善する作用があります。
この品種以外の「根」、「花」は全般的には嗜好品として楽しむことができます。
タンポポの根をローストするとコーヒーに近い味になり、
これが「タンポポコーヒー」としてカフェインを含まないコーヒーの代用として使われています。
日本でも古くからタンポポは食品としても葉の部分を野菜のように使い、
母乳を良く出したり乳腺炎の時に重宝されています。
薬用ではないけれど、その効能に近いものとして摂取できるところが
ハーブティーの魅力です。
ハーブティーと漢方薬の違い②
ハーブティーは味の好みや気分でブレンドできる一方、
薬用は構成している材料とその割合が厳密に決められているところが相違点です。
漢方薬は植物だけでなく、骨や角といった動物由来のもの、化石といった鉱物も含め、
その症状を改善するように調合されています。
例えば、こむらがえりや筋肉がつるときに服用することでおなじみの
「芍薬甘草湯」。
「芍薬」と「甘草」だけで構成されているシンプルな漢方薬です。
その組成は
本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス2.5gを含有する。
日局カンゾウ 6.0g
日局シャクヤク 6.0g
となっています。
【 http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200067D1049_1_15/ より出典】
「芍薬甘草湯」は痛み止めの頓服薬として広く使われ、
『傷寒論』という中国・漢代(日本の弥生時代!)の医学書に載っている処方で、
昔から即効性があることで知られます。
ハーブティとして芍薬と甘草をブレンドすることで、
薬用ではないけれど、その効能に近いものとして摂取できるところがハーブティーの魅力です。
-芍薬-
-甘草-
風味:甘草のほのかな甘みと、芍薬独特の根菜のような味わいが合わさり、
穀物のようなやわらかい風味
香り:香りは薄いが、香ばしい香り
茶色:ごく薄い黄色
薬膳学から学んだハーブティーブレンド方法
薬膳学の特徴として、「弁証施膳」があります。
中医学の基本理論に則って、
不足を補い、余分を取り除き、陰陽や臓腑を調整してからだを最適なバランスに整える
ための食材を選んで調理することを言います。
(必要な営養物質を摂るだけでなく、陰陽バランスを考えるところが薬膳学の特徴であり、面白さです)
その際、改善したい症状(胃痛・発熱など)でよく使われる漢方薬を「参考方剤」として選び、
その中で使われている生薬の特性から食材を選ぶことがあります。
【例】3日前から咳が辛く、悪寒があり軽く発熱。薄く白い痰が出る症状
→参考方剤「三拗湯(さんようとう)」組成:生姜・甘草・杏仁 麻黄
→生姜を使い、他の生薬と似た特性をもった食材で「生姜と黒糖のスープ」を施膳
当社のブレンドハーブティーは、すべてこの「弁証施膳」の考え方に基づいて行っています。
本日、わたくしがこれを書きながら飲んでいるブレンドハーブティーは
・ナツメ ・コブシ ・千日紅 ・生姜の葉 ・甘草
エアコンによる冷えで調子が整わない「鼻づまり」「軽い咳」の改善が目的です。
※参考方剤「葛根湯加川芎辛夷」
ナツメの甘さと生姜の葉の辛味が絶妙なおいしさ!
その時の体調にバッチリ合っていると異常に美味しく感じ、体調も改善。
翌日飲むと「あれ、昨日ほど美味しく感じない・・・」。
同じブレンドティーを飲んでも、その日の体調で感じ方が全く異なることもしばしば、
体調管理の上でも面白いなと感じます。
当院併設 薬膳カフェ日月にてブレンドティーを扱っています。
オンラインショップでは、シングルティーや代表的な不調へのブレンドティーを販売中。
是非覗いてみて下さい!